哀れな自転車の末路

郵便ポストを開けると、見に覚えのない手紙が入っている。



自転車撤去？いや、ウチに自転車置いてあるんだけど。。。


そこで記憶をさかのぼる。

かつて、ウチの部屋の真上の階に住んでた変人家族がいた。
夜になっても子供がジャンプしてるんだか、地響きがすごい。天井がうねる。
そして何より、深夜2時ごろ。上から、


コツン、、、コツン、、、コツン、、、、。。


と杖だかなんかで床をつつくような音がする。

何やってるんだか知らないけど、そこには家電すらなくて、「うるさい」と電話してやることも出来ない。
隣の部屋の人も、そばに寄りたくない存在だったという。





今の自転車を買って、古いヤツはいらなくなった。
身近にもらい手もいないから、結局粗大ごみとして撤去料500円を支払って集積所に置いといた。

そこでだ。あの家族。
粗大ごみの回収日の朝7時ごろ、忙しい時にインターホンを鳴った。
しぶしぶ出ると、

「お宅の自転車、もらってもいきますね。」

ずうずうしくもこんなことを言ってくる。
「もう撤去料払って、粗大ごみのシールも貼ってありますから。」
と切り返したのだが。

親が落ち着いてから外へ見に行ったときには、すでにその自転車は無かった。
2週間後くらいか。程なくしてその家族は引越していった。





それか。この撤去された自転車って。
思い出したと同時に、盗んだ挙句に捨てやがったあの変人家族への不満や怒りも再び湧き上がった。。。


まったく。隣人トラブルって、意外と身近にあるもんだよなーと再確認してしまったのでした。